不動産投資の利回り相場は?東京と大阪の違いと物件選びの考え方


不動産投資を始めたいけれど、東京と大阪のどちらで購入すべきか、利回りの相場がよく分からないという方は少なくありません。
同じ賃貸住宅でも、立地や築年数、価格帯によって、期待できる利回りは大きく変わります。
そのため、なんとなく耳にした数字だけで判断してしまうと、思っていたほど収益が出なかったり、リスクの高い物件をつかんでしまったりすることもあります。
そこで本記事では、東京と大阪の不動産投資における利回り相場を整理しつつ、表面利回りや実質利回りなどの基本から、物件選びの注意点、エリア選定の考え方まで順番に解説します。
利回りの数字を正しく理解し、自分の投資スタンスに合ったエリアと物件を見極めるための実践的な視点をお伝えします。

東京と大阪の不動産投資利回り相場を整理

不動産投資で東京と大阪を比較する際は、まず「表面利回り」と「期待利回り」の違いを押さえておくことが大切です。
表面利回りは購入価格に対する年間賃料収入の割合で、空室や諸経費を考慮しないシンプルな指標です。
一方で期待利回りは、専門機関が投資家への調査を通じて把握した水準であり、空室リスクや将来の市場見通しなども織り込んだ目安とされています。
そのため、物件選びでは表面利回りだけで判断せず、期待利回りとの関係を確認しながら検討することが重要です。

次に、最新の統計から東京と大阪の期待利回り水準を整理してみます。
一般財団法人日本不動産研究所の「第54回 不動産投資家調査(2026年4月現在)」によると、賃貸住宅一棟ワンルームタイプの期待利回りは、東京・城南が3.6%、大阪が4.2%と公表されています。
同調査におけるファミリータイプでは、東京・城南が3.7%、大阪が4.3%とされており、いずれも大阪の方がやや高い水準です。
このように、同じ賃貸住宅でも東京と大阪で期待利回りに一定の差があることを前提に、エリアや物件タイプを比較していく必要があります。

また、過去の調査結果と比べると、両都市とも利回り水準が大きくは変動していない点にも注目できます。
例えば、前回の第53回調査(2025年10月現在)では、ワンルームタイプの期待利回りは東京・城南が3.7%、大阪が4.3%であり、今回調査ではいずれも0.1ポイント低下した水準です。
この推移から、東京は低利回りながら安定的に推移し、大阪は東京より高い利回りを維持しつつ緩やかに低下している構図が見て取れます。
したがって、投資家は短期的な変動ではなく、中長期の傾向を踏まえてエリアを選ぶことが求められます。

都市 ワンルーム期待利回り ファミリー期待利回り
東京 約3.6%水準 約3.7%水準
大阪 約4.2%水準 約4.3%水準

利回りの種類と「相場」の正しい捉え方

不動産投資で語られる利回りには、表面利回りや実質利回り、キャップレートなど複数の指標があります。
まず表面利回りは「年間家賃収入÷購入価格×100」で求める単純な割合で、管理費や修繕費、空室による収入減は含みません。
これに対して実質利回りは、家賃収入から諸経費を差し引いた年間手取り収入を購入価格で割るため、手残りの感覚に近い指標です。
さらにキャップレートは、収益還元法における期待利回りとして、周辺相場や金利水準を踏まえた「適正な利回り水準」を示す概念として使われます。

同じ東京や大阪であっても、物件の種別や築年数によって利回りは大きく変化します。
たとえば分譲仕様の区分マンションは価格水準が高く、賃料に対して物件価格が重くなりやすいため、利回りは相対的に低くなりがちです。
一方で築年数が進んだ物件や、エレベーターのない小規模な建物などは、賃料水準が抑えられる一方で価格がさらに圧縮され、表面利回りが高く見えることがあります。
このように家賃水準と価格水準のバランスが、表面利回りや実質利回りの差として現れる点を理解しておくことが大切です。

利回り相場は、東京と大阪それぞれのエリアや物件の条件をならした「目安」であり、個々の投資判断を代替するものではありません。
同じ利回りの数字でも、空室リスクが高い物件や、近い将来に大規模修繕が見込まれる物件では、実際の手取りが大きく変わってきます。
また、管理費や共用部分の光熱費、固定資産税などは、購入前にできるだけ具体的な金額を見積もり、実質利回りとして再計算する姿勢が重要です。
利回り相場にとらわれすぎず、収支の安定性や長期保有に伴う費用まで見通したうえで判断することが、東京や大阪での不動産投資を成功させる基本になります。

利回りの種類 計算の特徴 確認の目的
表面利回り 諸経費含まない収益割合 物件同士の大まかな比較
実質利回り 経費控除後の手取り割合 毎年の収支イメージ把握
キャップレート 期待収益率としての指標 価格と収益性の妥当性判断

物件選びで見るべき利回り水準と注意点

まず、物件選びの出発点として、「どの程度の利回りを狙うべきか」という目安を整理しておくことが大切です。
日本不動産研究所の不動産投資家調査では、賃貸住宅一棟の期待利回りは、東京がおおよそ3%台後半から4%前後、大阪が4%前後から4%台前半という水準で推移しています。
この投資家が求める期待利回りを踏まえると、自己資金が多く安定性を重視する方は、東京では3%台後半前後、大阪では4%前後を一つの最低ラインとみなしやすいです。
一方で、ある程度のリスクを許容して高めの収益性を目指す場合には、東京で4%台前半、大阪で4%台中盤までを視野に入れるなど、自身の投資目的に応じて現実的なレンジを設定することが重要です。

次に、利回り水準を見る際に注意したいのが、「高すぎる」「低すぎる」数字の裏にある要因です。
一般に、同じ東京や大阪でも、駅からの距離が長いエリアや周辺の人口減少が進む地域では、空室リスクが意識されるため、表面利回りが相場より高く表示されることがあります。
また、築年数が進んだ物件や、修繕履歴が十分でない建物、管理体制が弱く共用部の劣化が目立つ物件では、将来の大規模修繕費や入居者離れの可能性が利回りに織り込まれている場合が少なくありません。
反対に、相場より利回りが低い物件は、立地条件や建物グレード、今後の再開発期待などが価格に反映されていることが多いため、数字だけで敬遠するのではなく、家賃の安定性や売却時の出口価格も含めて総合的に評価する姿勢が求められます。

さらに、利回り水準を判断するうえでは、物件購入前の収支シミュレーションを丁寧に行うことが欠かせません。
具体的には、空室率を数%程度悪化させたケースや、金利が現在より一定幅上昇したケースを想定し、手残りのキャッシュフローがどの程度まで耐えられるかを確認しておくと安心です。
また、固定資産税や火災保険料、管理委託費、修繕積立の見込みなどを年間費用として織り込み、実質利回りがどの水準に落ち着くかを試算することで、見かけの表面利回りとの差を正しく把握できます。
こうした複数の前提条件を変えながら収支を確認しておくことで、東京と大阪それぞれの利回り相場に対し、自分の資金計画がどこまで安全圏にあるのかを冷静に見極めやすくなります。

投資スタンス 東京の目安利回り 大阪の目安利回り
安定性重視 3%台後半前後 4%前後水準
収益性重視 4%台前半目安 4%台中盤目安
ハイリスク志向 4%台後半以上 5%前後以上

東京と大阪で迷う人のエリア選定・判断フロー

東京と大阪を比較すると、いずれも人口が多く賃貸需要は底堅い一方で、将来像には違いがあります。
国の統計では、全国的に人口減少が進む中でも、都心部では通勤や教育目的の転入が続いています。
また、国土交通省の地価公示では、東京の中心部は商業地・住宅地とも高水準を維持し、大阪も再開発エリアを中心に上昇が見られます。
長期投資を考える際には、こうした人口動態と地価動向、さらに今後の再開発計画を重ねて把握することが大切です。

東京は地価と物件価格が高い分、利回り水準は低めになりやすい一方で、長期的な資産価値の安定性を期待しやすい傾向があります。
これに対して大阪は、購入価格を抑えやすく、相対的に表面利回りが高く出やすいという特徴があります。
ただし、どちらの都市でも駅距離や築年数、間取りなどによって空室リスクが変わるため、数字だけで単純比較するのは危険です。
賃貸需要の強さと、出口戦略を含めた売却のしやすさを、都市ごと・エリアごとに冷静に整理することが重要です。

次に、投資家自身の目的に応じて、どちらの都市を軸にするか考える視点です。
安定した入居と将来の売却時価の下支えを重視する場合は、利回りがやや低くても賃貸需要と地価が堅調なエリアを中心に検討する考え方があります。
一方で、毎月のインカムを重視し、ある程度のリスクを許容できる場合は、相対的に利回りが高いエリアを候補にしつつ、空室期間や修繕費を保守的に見込むことが必要です。
いずれの場合も、利回り相場と金融機関の金利水準を踏まえながら、無理のない返済比率に収まるかを確認しなければなりません。

投資目的 重視したいポイント 確認したい指標
安定重視の長期保有 空室率の低さ・賃料維持力 入居率推移・地価動向
利回り重視の運用 取得価格と利回り水準 表面利回り・実質利回り
売却も視野にした運用 将来の需要と出口戦略 取引事例価格・開発計画

最後に、エリア選定から個別物件に絞り込むまでの流れを整理します。
まず、統計資料や不動産投資家調査で東京と大阪のおおまかな利回り相場と賃貸需要の傾向を把握し、自分の投資目的に合う都市とエリアの候補を決めます。
次に、候補エリアの家賃水準や過去の空室状況、周辺の開発計画などを調べ、現地を歩いて生活利便性や街の雰囲気を確認します。
そのうえで、個別物件ごとに表面利回りと実質利回りを試算し、金利上昇や賃料下落を想定した収支シミュレーションを行い、複数物件を比較しながら最終判断を行うことが望ましいです。

まとめ

不動産投資の利回り相場は、東京と大阪で水準も特色も大きく異なります。
まずは表面利回りと実質利回りの違いを理解し、空室リスクや修繕費を含めて「本当の利回り」を見ることが大切です。
また、同じエリアでも物件種別や築年数で利回りは大きく変わるため、相場はあくまで目安と考えましょう。
当社では、統計データと実際の募集状況を踏まえた利回り診断や収支シミュレーションを個別にご提案しています。
東京か大阪かで迷っている方も、具体的な資金計画から物件選びの基準づくりまで丁寧にサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。


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